ボーナス(賞与)の手取り計算と税金の仕組み(2026年版)
ボーナスの手取り計算方法
ボーナス(賞与)の手取り額は「支給総額 − 社会保険料 − 所得税(源泉徴収)」で計算されます。給与と異なりボーナスは「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」(国税庁)を使って税率が決まります。社会保険料の計算は毎月の給与と同様です。
【ボーナス50万円・年収500万円・東京都の手取り計算例】
支給総額:500,000円
1. 健康保険料:500,000円 × 4.985%(協会けんぽ東京)≒ 24,925円
2. 厚生年金保険料:500,000円 × 9.15% ≒ 45,750円
3. 雇用保険料:500,000円 × 0.6% ≒ 3,000円
小計(社会保険料):73,675円
4. 課税対象額:500,000円 − 73,675円 = 426,325円
5. 源泉所得税(前月給与から税率決定・例:20%):約85,265円
手取り額 ≒ 500,000円 − 73,675円 − 85,265円 ≒ 341,060円
手取り率:約68%
ボーナスの社会保険料の仕組み
ボーナスにも毎月の給与と同様に健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料がかかります。健康保険・厚生年金は「標準賞与額(1,000円未満切り捨て)」に保険料率を乗じて計算します。厚生年金の賞与は年間(4〜翌3月)の上限が150万円(月50万円まで)、健康保険は1回の賞与上限573万円という上限があります。
ボーナスにかかる所得税の計算方法
ボーナスの所得税は「前月の給与から社会保険料を差し引いた金額をもとに税率表で税率を求め、ボーナスの課税対象額にその税率を掛ける」方法で計算されます。前月の給与が高いほど税率が高くなり、ボーナスの手取りが少なくなります。
| 前月給与(社保控除後) | 扶養0人の税率 | 扶養1人 | 扶養2人 |
| 88,000円未満 | 0% | 0% | 0% |
| 88,000〜101,000円未満 | 2.042% | 0% | 0% |
| 252,000〜300,000円未満 | 10.21% | 6.126% | 4.084% |
| 350,000〜400,000円未満 | 15.315% | 10.21% | 6.126% |
| 500,000〜600,000円未満 | 20.42% | 16.336% | 12.252% |
2026年のボーナス平均・業種別相場
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、夏のボーナス(2025年)の平均支給額は製造業で約68万円、全産業平均で約52万円でした。大企業と中小企業では2〜3倍の差があることが多いです。
| 業種 | 平均ボーナス(夏冬合計目安) |
| 電気・ガス・水道 | 約150〜200万円 |
| 情報通信・IT | 約120〜180万円 |
| 金融・保険 | 約100〜160万円 |
| 製造業(大企業) | 約100〜150万円 |
| 製造業(中小企業) | 約40〜80万円 |
| 小売・サービス | 約20〜60万円 |
| 飲食・宿泊 | 約10〜40万円(支給なしも多い) |
ボーナスの賢い使い方
ボーナスを最も有効に活用する優先順位は①緊急予備金(生活費3〜6ヶ月分)の確保②高金利の借金返済(消費者金融・クレジットカードリボ)③iDeCoへの追加拠出(年末調整で節税)④新NISAでの一括投資または積立④住宅ローンの繰り上げ返済(利息削減)⑤大きな目的のある貯蓄(車・旅行・結婚式等)——の順です。「ボーナスが入ったら全額使ってしまう」という習慣を避け、まず先取りで貯蓄・投資に回してから消費することが資産形成の基本です。
💡 ボーナス節税のワザ:①ふるさと納税をボーナス月に集中させる(控除上限に余裕があれば)②iDeCoへの拠出を年末に行いボーナス時期の課税所得を下げる③医療費が多い年は年末調整・確定申告で還付を受ける④NISA・iDeCoへの一括投資で運用益非課税の恩恵を受ける
【数値で見る】ボーナスの手取り・引かれるものの内訳
「ボーナスが思ったより少ない」と感じたことはありませんか。賞与は額面の2〜3割が引かれ、手取りは額面の75〜80%程度になるのが一般的です。何がどれだけ引かれるのか、内訳を見ていきましょう。
ボーナスから引かれる4つ+税金
| 引かれるもの | 料率(本人負担) | 備考 |
| 健康保険料 | 約5%前後 | 労使折半。都道府県で料率が異なる |
| 厚生年金保険料 | 9.15% | 労使折半(全体18.3%の半分) |
| 雇用保険料 | 約0.55% | 2026年度の一般の事業 |
| 介護保険料(40〜64歳) | 約0.8% | 40歳以上65歳未満が対象 |
| 所得税 | 前月給与で決まる税率 | 賞与額から社会保険料を引いた額に課税 |
社会保険料だけで額面の約15%前後、これに所得税が加わり、合計で2〜3割が引かれます。なお、2026年度からは「子ども・子育て支援金」が健康保険料とあわせて賞与からも徴収されるようになりました。
額面別・ボーナス手取りの早見表(目安)
40歳未満・東京・協会けんぽの会社員の概算です。前月給与や扶養により変わります。
| 額面のボーナス | 手取りの目安 | 引かれる額の目安 |
| 20万円 | 約16〜16.5万円 | 約3.5〜4万円 |
| 30万円 | 約24〜24.5万円 | 約5.5〜6万円 |
| 50万円 | 約40〜41万円 | 約9〜10万円 |
| 80万円 | 約63〜65万円 | 約15〜17万円 |
| 100万円 | 約78〜80万円 | 約20〜22万円 |
※概算の目安です。年齢・地域・前月給与・扶養人数により変わります。正確な額は上の計算ツールでご確認ください。
意外な発見:ボーナスから「住民税」は引かれない
あまり知られていませんが、ボーナスからは住民税が引かれません。住民税は前年の所得をもとに年間の税額が決まり、それを毎月の給与から12分割して徴収する仕組みのためです。つまり、賞与に上乗せで住民税が引かれることはありません。給与とボーナスで引かれるものが少し違うのは、この住民税の扱いが理由の一つです。
なぜボーナスの所得税は高く感じるのか
「ボーナスの所得税が高い」と感じる人は多いですが、これは賞与の所得税率が「前月の給与」をもとに決まるためです。賞与は金額が大きいぶん、源泉徴収される税額も大きくなります。ただし、この時点の所得税はあくまで概算で、年末調整で1年間の正確な税額が精算されます。払いすぎていれば、年末調整で還付されることもあります。
手取りを意識した賢い使い方
ボーナスは「臨時収入」と捉えて使いすぎてしまいがちですが、手取り額を正しく把握しておくことが大切です。一般には、ボーナスの使い道は「先取り貯蓄・投資」「生活防衛資金」「自己投資」「楽しみ」にバランスよく配分するのが望ましいとされます。特に、手取りの一部を先にNISAなどの積立や貯蓄に回すと、無理なく資産形成が進みます。
💡 ボーナス手取りのポイント:①手取りは額面の75〜80%程度②社会保険料だけで約15%③ボーナスからは住民税は引かれない④所得税は前月給与で税率が決まり年末調整で精算⑤2026年から子ども・子育て支援金も徴収。手取りを把握して計画的に使いましょう。
ボーナスの使い方・成功失敗パターン
考え方や行動の仕方によって、結果は変わります。よくある傾向を一般論として紹介します。
| うまくいきやすいパターン | つまずきやすいパターン |
| 使い道(貯蓄・投資・出費)を事前に配分 | 入った勢いで衝動的に使い切る |
| 一部を先取りで貯蓄・投資に回す | 全部使ってしまい貯蓄が増えない |
| 生活費はボーナス頼みにしない | ボーナス前提の家計で、減額時に困る |
| 手取り額を把握して計画的に使う | 額面で考え、手取りとのズレに戸惑う |
⚠️ 「正解は人それぞれ」という視点:ボーナスの使い方は人それぞれで、自分へのご褒美に使うのも、将来のために貯めるのも、どちらも大切です。理想は「毎月の給料で生活が回り、ボーナスは貯蓄・投資・特別な出費に充てる」形。バランスを取りながら、メリハリのある使い方をしましょう。ここで紹介したのは一般的な傾向であり、最適な選択は一人ひとりの状況によって異なります。
❓ よくある質問
ボーナス100万円の手取りはいくらですか?
年収・扶養家族の有無・前月の給与額によって異なります。年収500万円・扶養なし・前月給与30万円程度の場合、ボーナス100万円の手取りは約65〜70万円(手取り率65〜70%)が目安です。社会保険料(約15%)+所得税(約15〜20%)が控除されます。上のツールで正確な手取り額を計算できます。
ボーナスの手取りが想像より少ない理由は?
ボーナスには社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)と所得税が引かれるため、手取り率は通常65〜75%程度になります。特に所得税はボーナスが高額になるほど税率が上がる場合があります。また住民税はボーナスからは引かれず(毎月の給与から6月〜翌5月に分割で引かれる)のに対し、前年の年収が高かった場合に住民税の月額が高くなることも手取り減の原因になります。
ボーナスを受け取ったら最初に何をすべきですか?
①緊急予備金(生活費3〜6ヶ月分)が不足している場合は確保する②高金利の借金(消費者金融・リボ払い等)がある場合は優先的に返済する③ふるさと納税の残枠がある場合は年末前に活用する④iDeCo・新NISAの積立に充てる——の順で考えることをお勧めします。「ボーナスが入ったらまず投資・貯蓄に先取りで回す」習慣が長期的な資産形成の鍵です。
ボーナスの支給日はいつですか?
多くの民間企業では夏のボーナスは6〜7月(6月末〜7月15日頃が多い)・冬のボーナスは12月(12月10日前後が多い)に支給されます。公務員(国家公務員)は夏が6月30日・冬が12月10日に支給されます。ただし会社によって支給日・支給回数(年1〜3回)は異なるため、雇用契約書や会社の規定で確認してください。ボーナスの支給自体は法律上の義務ではなく、会社の規程・業績によります。
ボーナスにも住民税はかかりますか?
ボーナスから住民税は直接引かれません。住民税は前年の年収(ボーナスも含む)をもとに計算され、翌年6月〜翌5月の12ヶ月で毎月の給与から均等に引かれます(特別徴収)。そのためボーナスを多くもらった年の翌年は月々の住民税が高くなります。「去年よりボーナスが多かったのに今年は月の手取りが減った」という状況はこの仕組みが原因の場合が多いです。
ボーナスの査定・計算方法はどうなっていますか?
ボーナスの計算方法は会社によって異なります。主なパターンは①給与の○ヶ月分(例:基本給×4ヶ月)という固定倍率②給与×業績係数×個人評価係数という掛け算方式③業績目標の達成率に応じた変動ボーナス④一律の定額支給——などです。就業規則・雇用契約書に「賞与の支給基準」が明記されているはずです。支給基準が明記されているのに支払われない場合は法的問題になり得ます。
ボーナスを新NISAに一括投資するのはよいですか?
はい、新NISAへの一括投資は有効な活用法です。新NISAの年間投資枠は360万円(つみたて120万円+成長投資240万円)で、運用益はすべて非課税です。ボーナスを一括で成長投資枠(上限240万円)に投資し、長期保有することで複利効果を最大化できます。ただし株式市場は変動するため、すべてを一括投資するより「毎月の積立+ボーナス時の追加投資」を組み合わせるリスク分散も有効です。
試用期間中でもボーナスはもらえますか?
試用期間中のボーナス支給は会社の規定によります。多くの会社では「試用期間中は支給しない」「査定に含まれない(支給額が少ない)」というルールが設けられています。就業規則・雇用契約書を確認し、不明な点は採用担当者・人事部に確認してください。入社のタイミング(4〜6月入社なら夏のボーナスが満額・翌年分が初受け取り等)もボーナス額に影響します。
転職後のボーナスはどうなりますか?
転職後のボーナスは①転職前の会社のボーナス:在籍期間に応じた日割り計算がある場合とない場合がある(就業規則で確認)②転職後の会社のボーナス:通常は入社後から支給対象期間が始まり、最初のボーナスは在籍期間に応じた按分になることが多い——という流れです。「転職前後でボーナスをもらえない空白期間が生じる」可能性があるため、転職のタイミングとボーナス支給時期を考慮して転職活動を進めることをお勧めします。
ボーナスをもらったらiDeCoとNISAどちらを優先すべきですか?
ボーナスの活用優先順位は①緊急予備金の確保→②高金利借金返済→③iDeCo(節税効果が高いため優先)→④新NISA——の順が一般的な推奨です。iDeCoは掛け金全額が所得控除になるため即効の節税効果がありますが、60歳まで引き出せないというデメリットがあります。新NISAはいつでも引き出せる柔軟性があります。60歳まで使わないお金はiDeCo・それ以外のお金はNISAという使い分けが合理的です。